終戦のローレライ(著・福井晴敏)
第24回吉川英治文学新人賞、第21回日本冒険小説協会大賞日本軍大賞受賞作。
太平洋戦争中、17歳の折笠征人と清永喜久雄は潜水艦任務に召集される。任務内容は特殊兵器の回収。それは極秘裏に進められている任務だった――。
戦争に関する圧倒的な情報量の中、描かれるストーリー。じりじりと丁寧につむがれる物語。そこで征人ら若者が清新な推進力となり、話を動かしていく。情報の積み重ねばかりでは世界観も話も重くなりすぎてしまうのだろう。征人らの見せる若さはすがすがしい。
細かなディテールに支えられた潜水艦戦は大きな見所。潜水艦の戦いにここまで魅かれるとは思わなかった。多様な戦い方を潜水艦に行わせ、それを描ききっていて見事。
ただ、キャラの(重要な)心情を説明してしまうこと、登場人物が予測するという形で第二次大戦後の世界(冷戦等)を多く語ってしまうことは残念。個人的にはそこまで説明で埋めてしまわないでほしかった。
単行本だと上下巻で合計約1050ページの大作。
「戦争で生き残った者はどう生きるべきか」という終章でつきつける問いが印象的。
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