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悲しみよ こんにちは(著・フランソワーズ・サガン 訳・朝吹登水子)

悲しみよこんにちは (新潮文庫)

フランソワーズ・サガンが十代のときに著した処女作。

勝手に読みにくいのかなあ、と思っていたけれども、割と一気に読めた。
若いときにしか書けないような作品かもしれない。

通訳・翻訳を学んできている者として、翻訳についての感想を述べようと思う。
といっても原文にあたっていないどころか、フランス語も読めないため、かなり印象論になるけれど。

きっと原文はフランス語ならではの文章なのだろう。
訳はなるべく原文の表現をいかそうとしたのではないだろうか。
「意味が伝わればいいからわかりやすさを重視しよう」というような訳ではなく。
原文をなるべくいじらず、サガンの感性が日本の読者にも直接的に伝わるようにしたのではないだろうか。
訳者には「ストーリーよりもサガンを読者に伝えたい」という意図があったと推測する。訳者あとがきでもサガンの文体について言及していたし。
だからというわけでは必ずしもないだろうが、「ああ、翻訳だな」と思える箇所はある。
しかし「こんな日本語あまりにも読みにくい」というような文章にはなっていない。というか「翻訳調」の箇所がマイナスに作用している印象はない。
むしろ訳者の意図が自分の推測した通りであるならば、この作品でなされた翻訳は全体として成功していると思う。

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