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『つきのふね』(著・森絵都)

つきのふね (角川文庫)

なんていうか、不安定な作品だと思った。

親友と話さなくなり、学校で居場所のなくなっている少女。
不良グループから離れられず荒んでいく少女。
人をつけまわすのが趣味で、何にでも首をつっこみたがる少年。
宇宙船を設計する任務を与えられていると思ってしまっている青年。

この4人が中心となって動いていく話。不安定な4人。
ストーリーもどこに焦点をあてているのかよくわからなかった。
なんだか気持ち悪さをおぼえながら読み進めることに。
ただし、読みにくいということは全くもってない。

いま考えると、『つきのふね』は人の心の内にある苦しみに焦点をあてた作品なのかもしれない。特に人とのつながりという面において。
しかしあの4人を中心に話を進めるとは、人とのつながりに関する苦しみを描くにしても、特殊だと思う。狙っておこなったことかどうかはわからない。
もっと後に書かれた『DIVE!!』の洗練された様子は『つきのふね』には見られない。
でも両作品とも人の心を描こうとした作品ではないかと思う。そういう意味では共通しているのかもしれない。

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