マルドゥック・ヴェロシティ(著・冲方丁)
『マルドゥック・スクランブル』(第24回日本SF大賞)の続編。
今回は『マルドゥック・スクランブル』の敵役、ボイルドが主役。
『マルドゥック・スクランブル』がスターウォーズでいうエピソード4~6なら、こちらはスターウォーズのエピソード1~3。ボイルドがダークサイドに堕ちていく話。
全3巻。
カジノシーンが大評判になった前作。今回はカジノシーンはなし。戦闘シーンは増えた。小説の戦闘シーンというと退屈なイメージがあるかもしれないが、なかなか面白くよめる戦闘シーンだと思う。
そして今作のなにが特徴的ってやはりその文体じゃないだろうか。
「――」や「/」や「=」を多用した、箇条書きのような、数式のような文体。
ハードボイルドな世界・話にさらにハードボイルドさを加える役割を果たしているんじゃないかと。
技術が発達した世界を描いているSFだし、その世界観をさらに表現している文体じゃないかとも思う。情報処理をしているような文体。
感情を排したような文体ではあるが、読者に何の感情も抱かせない文章になっているかというと決してそうではない。堕ちていくボイルドを見て「あっそう」と片づけることはできないだろう。
ストーリーもよく練られている。ただ、話の真相には登場人物のたくらみが絡んできていて、しっかり読まないと振り落とされてしまう。家族関係も把握しながら読んだほうが絶対面白いと思う。
そんな自分はやや振り落とされてしまった方。
でも面白かった。ストーリーを良く把握できていなくても面白いと思えるだけのパワーをもった作品だと思う。
| 固定リンク
「小説」カテゴリの記事
- 終戦のローレライ(著・福井晴敏)(2009.06.12)
- いのちのパレード(著・恩田陸)(2009.05.12)
- 『つきのふね』(著・森絵都)(2009.05.10)
- 『DIVE!!』(著・森絵都)(2009.05.08)
- 【新釈】走れメロス 他四篇(2009.05.07)



コメント
はじめまして。
『マルドゥック・ヴェロシティ』、私も最近読み終わりました。
無茶苦茶面白かったです。
終りが大体わかっているからこそのカウントダウンであり、だからこそ、ボイルドのウフコックへの思いがやりきれないです。
そして、スクランブルも読み直したくなったのに、手元にないっ!!
どうもさらに続編が出るような話も聞きますし、楽しみです。
投稿: gaker | 2009年5月25日 (月) 21:49
はじめまして、『マルドゥック・ヴェロシティ』面白かったですよね!「!」マーク使っていいような話じゃないかもしれませんが。
続編が出るのなら、それは嬉しいです◎
投稿: yuya | 2009年5月26日 (火) 15:18